NPO法人 埼玉県日本中国友好協会

本協会は、日中両国民の相互理解と友好を深め、アジアと世界の平和、繁栄に貢献することを目的にさまざまな活動を展開しています。

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日中関係基本資料

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日中共同声明(1972年)
日中平和友好条約(1978年)
戦後50周年の終戦記念日にあたって(いわゆる村山談話)(1995年)
平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同声明(1998年)
「戦略的互恵関係」の包括承認推進に関する日中共同声明(2008年)


□ 日中共同声明
(1972年)

 日本国内閣総理大臣田中角栄は、中華人民共和国国務院総理周恩来の招きにより、1972年9月25日から9月30日まで中華人金共和国を訪問した。田中総理大臣には大平正芳外務大臣、二階堂進内閣官房長官その他の政府職員が随行した。
 毛沢東主席は、9月27日に田中角栄総理大臣と会見した。双方は、真剣かつ友好的な話し合いを行った。
 田中総理大臣及び大平外務大臣と周恩来総理及び姫鵬飛外交部長は、日中両国間の国交正常化問題をはじめとする両国間の諸問題及び双方が関心を有するその他の諸問題について、終始、友好的な雰囲気のなかで真剣かつ率直に意見を交換し、次の両政府の共同声明を発表することに合意した。
 日中両国は一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する。両国民は、両国間にこれまで存在していた不正常な状態に終止符を打つことを切望している。戦争状態の終結と日中国交の正常化という両国民の願望の実現は、両国関係の歴史に新たな一頁を開くこととなろう。
 日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。また、日本側は、中華人民共和国政府が提起した「国交三原則」を十分理解する立場に立って国交正常化の実現をはかるという見解を再確認する。中国側は、これを歓迎するものである。
 日中両国間には社会制度の相違があるにもかかわらず、両国は、平和友好関係を樹立すべきであり、また、樹立することが可能である。両国間の国交を正常化し、相互に善隣友好関係を発展させることは、両国国民の利益に合致するところであり、また、アジアにおける緊張緩和と世界の平和に貢献するものである。

一 日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。
二 日本国政府は、中華人民共和国が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は  この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
四 日本国政府及び中華人民共和国政府は、1972年9月29日から外交関係を樹立することを決定した。両政府は、国際法及び国際慣行に従い、それぞれの首都における他方の大使館の設置及びその任務遂行のために必要なすべての措置をとり、また、できるだけすみやかに大使を交換することを決定した。
五 中華人民共和国政府は、中日両国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。
六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基盤の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
 両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
七 日中両国間の国交正常化は、第三国に対するものではない。両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する。
八 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、平和友好条約の締結を目的として、交渉を行うことに合意した。
九 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の関係を一層発展させ、人的往来を拡大するため、必要に応じ、また、既存の民間取決めをも考慮しつつ、貿易、海運、航空、漁業等の事項に関する協定の締結を目的として、交渉を行うことに合意した。
  1972年9月29日に北京で
   日本国内閣総理大臣    田中角栄
   日本国外務大臣      大平正芳
   中華人民共和国国務院総理 周恩来
   中華人民共和国 外交部長 姫鵬飛


□ 日中平和友好条約(1978年

 日本国及び中華人民共和国は、1972年9月29日に北京で日本政府及び中華人民共和国政府が共同声明を発出して以来、両国政府及び両国民の間の友好関係が新しい基盤の上に大きな発展を遂げていることを満足の意をもって回顧し、前記の共同声明が両国間の平和友好関係の基盤となるものであること及び前記の共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、国際連合憲章の原則が十分に尊重されるべきことを確認し、アジア及び世界の平和及び安定に寄与することを希望し、両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、平和友好条約を締結することを決定し、このため、次のとおりそれぞれ全権委員を任命した。
      日本国     外務大臣 園田 直
      中華人民共和国 外交部長 黄  華

 
これらの全権委員は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次のとおり協定した。

第一条
1 両締結国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基盤の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 両締結国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力の威嚇に訴えないことを確認する。

第二条
 両締結国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においてても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

第三条
 両締結国は、善隣友好の精神に基づき、かつ、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のため努力する。

第四条
 この条約は、第三国との関係に関する各締約国の立場に影響を及ぼすものではない。

第五条
1 この条約は、批准されるものとし、東京で行われる批准書の交換の日に効力を生ずる。この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによって終了するまで効力を存続する。

2 いずれの一方の締約国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。

 以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。
 1978年8月12日北京で、ひとしく正文である日本語及び中国語により本書二通を作成した。
     日本国のために     園田 直
     中華人民共和国のために 黄  華


□ 戦後50周年の終戦記念日にあたって(いわゆる村山談話)1995年

                                           平成7年8月15日
 
先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。

 敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表すものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、改めて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。

 
平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼に基づいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。

 
いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。

 
わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。

敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。

 「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。



□ 平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言
                                      (1998年)

 日本国政府の招待に応じ、江沢民中華人民共和国主席は、1998年11月25日から30日まで国賓として日本国を公式訪問した。この歴史的意義を有する中国国家主席の初めての日本訪問に際し、江沢民主席は、天皇陛下と会見するとともに、小渕恵三内閣総理大臣と国際情勢、地域問題及び日中関係全般について突っ込んだ意見交換を行い、広範な共通認識に達し、この訪問の成功を踏まえ、次の通り共同で宣言した。

 
 一
 双方は、冷戦終了後、世界が新たな国際秩序形成に向けて大きな変化を遂げつつある中で、経済の一層のグローバル化に伴い、相互依存関係は深化し、また安全保障に関する対話と協力も絶えず進展しているとの認識で一致した。平和と発展は依然として人類社会が直面する大きな課題である。公正で合理的な国際政治・経済の新たな秩序を構築し、21世紀における一層ゆるぎのない平和な国際環境を追及することは、国際社会共通の願いである。

 
双方は、主権及び領土保全の相互尊重・相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵、平和共存の諸原則並びに国際連合憲章の原則が、国家間の関係を処理する基本準則であることを確認した。
 双方は、国際連合が世界の平和を守り、世界の経済及び社会の発展を促していく上で払っている努力を積極的に評価し、国際連合が国際新秩序を構築し維持する上で重要な役割を果たすべきであると考える。双方は、国際連合が、その活動及び政策決定プロセスにおいて全加盟国の共通の願望と全体の意思をよりよく体現するために、安全保障理事会を含めた改革を行うことに賛成する。
 双方は、核兵器の究極的廃絶を主張し、いかなる形の核兵器の拡散にも反対する。また、アジア地域及び世界の平和と安定に資するよう、関係国に一切の核実験と核軍備競争の停止を強く呼びかける。
 双方は、日中両国がアジア地域及び世界に影響力を有する国家として、平和を守り、発展を促していく上で重要な責任を負っていると考える。双方は、日中両国が国際政治・経済、地球規模の問題等の分野における協調と協力を強化し、世界の平和と発展ひいては人類の進歩という事業のために積極的な貢献を行っていく。


  
 双方は、冷戦後、アジア地域の情勢は引き続き安定の方向に向かっており、域内の協力も一層深まっていると考える。そして、双方は、この地域が国際政治・経済及び安全保障に対して及ぼす影響力は更に拡大し、来世紀においても引き続き重要な役割を果たすであろうと確信する。
 双方は、この地域の平和を維持し、発展を促進することが、両国の揺るぎない基本方針であること、また、アジア地域における覇権はこれを求めることなく、武力又は武力の威嚇に訴えず、すべての紛争は平和的手段により解決すべきであることを改めて表明した。
 双方は、現在の東アジア金融危機及びそれがアジアい経済にもたらした困難に対して大きな関心を表明した。同時に、双方は、この地域の経済の基盤は強固なもであると認識しており、経験を踏まえた合理的な調整と改革の推進並びに域内及び国際的な協調と協力の強化を通じて、アジア経済は必ずや困難を克服し、ひき続き発展できるものと確信する。双方は、積極的な姿勢で直面する各種の挑戦に立ち向かい、この地域の経済発展を促すためそれぞれできる限りの努力を払うことで一致した。
 双方は、アジア太平洋地域の主要国間の安定的な関係は、この地域の平和と安全に極めて重要であると考える。双方は、ASEAN地域フォーラム等のこの地域におけるあらゆる多国間の活動に積極
的に参画し、かつ協調と協力を進め理解の増進と信頼の強化に努めるすべて措置を支持することで意見の一致をみた。

  三
 双方は、日中国交正常化以来の両国関係を回復し、政治、経済、文化、人の往来等の各分野で目を見張るほどの発展を遂げたことに満足の意を表明した。また、双方は、目下の情勢において、両国間の協力の重要性は一層増していること、及び両国間の友好協力を更に強固にし発展させることは、両国国民の根本的な利益に合致するのみならず、アジア太平洋地域ひいては世界の平和と発展にとって積極的に貢献するものであることにつき認識の一致をみた。双方は、日中関係が両国のいずれにとっても最も重要な二国間関係の一つであることを確認するとともに、平和と発展のための両国の役割と責任を深く認識し、21世紀に向け、平和と発展のための友好協力パートナーシップの確立を宣言した。
 双方は、1972年9月29日に発表された日中共同声明及び1978年8月12日に署名された日中平和友好条約の諸原則を遵守することを改めて表明し、上記の文書は今後とも両国関係の最も重要な基礎であることを確認した。
 双方は、日中両国は二千年余りにわたる友好交流の歴史と共通の文化的背景を有しており、このような友好の伝統を受け継ぎ、更なる互恵協力を発展させることが両国国民の共通の願いであるとの認識で一致した。
 双方は、過去を直視し歴史を正しく認識することが、日中関係を発展させる重要な基礎であると考える。日本側は1972年の日中共同声明及び1995年8月15日の内閣総理大臣談話を遵守し、過去の一時期の中国への侵略によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任を痛感し、これに対し深い反省を表明した。中国側は、日本側が歴史の教訓に学び、平和発展の道を堅持することを希望する。双方は、この基盤の上に長きにわたる友好関係を発展させる。
 双方は、両国間の人的往来を強化することが、相互理解の増進及び相互信頼の強化に極めて重要であるとの認識で一致した。

 
双方は、毎年いずれか一方の国の指導者が相手国を訪問すること、東京と北京に両政府間のホットラインを設置すること、また、両国の各層、特に両国の未来の発展という重責を担う青少年の間における交流を、更に強化していくことを確認した。
 双方は、互恵平等の基礎の上に立って、長期安定的な経済貿易協力関係を打ち立て、ハイテク、情報、環境保護、農業、インフラ等の分野での協力を更に拡大することで意見の一致をみた。日本側は、安定し解放され発展する中国はアジア太平洋地域及び世界の平和と発展に対し重要な意義を有しており、引き続き中国の経済開発に対し協力と支援を行っていくとの方針を改めて表明した。中国側は、日本がこれまで中国に対して行ってきた経済協力に感謝の意を表明した。日本側は、中国がWTOへの早期加盟実現に向けて払っている努力を引き続き支持していくことを重ねて表明した。
 双方は、両国の安全保障対話が相互理解の増進に有益な役割を果たしていることを積極的に評価し、この対話メカニズムを更に強化することにつき意見の一致をみた。

 
日本側は、日本が日中共同声明の中で表明した台湾問題に関する立場を引き続き遵守し、改めて中国は一つであるとの認識を表明する。日本は、引き続き台湾と民間及び地域的な往来を維持する。
 双方は、日中共同声明及び日中平和友好条約の諸原則に基づき、また、小異を残し大同に就くとの精神に則り、共通の利益を最大限に拡大し、相違点を縮小するとともに、友好的な協議を通じて、両国間に存在する、そして今後出現するかもしれない問題、意見の相違、争いを適切に処理し、もって両国の友好関係の発展が防げられ、阻害されることを回避していくことで意見の一致をみた。

 
双方は、両国が平和と発展のための友好協力パートナーシップを確立することにより、両国関係は新たな発展の段階に入ると考える。そのためには、両国政府のみならず、両国国民の広範な参加とたゆまぬ努力が必要である。双方は、両国国民が、共に手を携えて、この宣言に示された精神を余すところなく発揮していけば、両国国民世々代々にわたる友好に資するのみならず、アジア太平洋地域及び世界の平和と発展に対しても必ずや重要な貢献を行うであろうと固く信じる。


□ 「戦略的互恵関係」の包括承認推進に関する日中共同声明(2008年)

 胡錦濤中華人民共和国主席は、日本国政府の招待に応じ、2008年5月6日から10日まで国賓として日本国を正式訪問した。胡錦濤主席は、日本国滞在中、天皇陛下と会見した。また、福田康夫内閣総理大臣と会談を行い、「戦略的互恵関係」の包括的推進に関し、多くの共通認識に達し、以下の通り共同声明を発出した。

1.双方は、日中関係が両国のいずれにとっても最も重要な二国間関係の一つであり、今や日中両国が、アジア太平洋地域及び世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識で一致した。また、双方は、長期にわたる平和及び友好のための協力が日中両国にとって唯一の選択であるとの認識で一致した。双方は、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、また、日中両国の平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展という崇高な目標を実現していくことを決意した。


2.双方は、1972年9月29日に発表された日中共同声明、1978年8月12日に署名された日中平和友好条約及び1998年11月26日に発表された日中共同宣言が、日中関係を安定的に発展させ、未来を切り開く政治的基礎であることを改めて表明し、三つの文書の諸原則を引き続き遵守することを確認した。また、双方は、2006年10月8日及び2007年4月11日の日中共同プレス発表にある共通認識を引き続き堅持し、全面的に実施することを確認した。


3.双方は、歴史を直視し、未来に向かい、日中「戦略的互恵関係」の新たな局面を絶えず切り開くことを決意し、将来にわたり、絶えず相互理解を深め、相互信頼を築き、互恵協力を拡大しつつ、日中関係を世界の潮流に沿って方向付け、アジア太平洋地域及び世界のよき未来を共に創り上げていくことを宣言した。

4.双方は、互いの協力パートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した。双方は、互いの平和的な発展を支持することを改めて表明し、平和的な発展を堅持する日本と中国が、アジアや世界に大きなチャンスと利益をもたらすことの確信を共有した。
(1)日本側は、中国の改革解放以来の発展が日本を含む国際社会に大きな好機をもたらしていることを積極的に評価し、恒久の平和と共同の繁栄をもたらす世界の構築に貢献していくとの中国の決意に対する支持を表明した。
(2)中国側は、日本が、戦後60年余り、平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献してきていることを積極的に評価した。双方は、国際連合改革問題について対話と意思疎通を強化し、共通認識を増やすべく努力することで一致した。中国側は、日本の国際連合における地位と役割を重視し、日本が国際社会で一層大きな建設的役割を果たすことを望んでいる。
(3)双方は、国際連合協議及び交渉を通じて、両国間の問題を解決していくことを表明した。

5.台湾問題に関し、日本側は、日中共同声明において表明した立場を引き続き堅持する旨改めて表明した。

6.双方は、以下の五つの柱に沿って、対話と協力の枠組みを構築しつつ協力していくことを決意した。
(1)政治的相互信頼の増進
  双方は、政治および安全保障分野における相互信頼を増進することが日中「戦略的互恵関係」構築に対し重要な意義を有することを確認するとともに、以下を決定した。

 ・両国首脳の定期的相互訪問のメカニズムを構築し、原則として、毎年どちらか一方の首脳が他方の国を訪問することとし、国際会議の場も含め首脳会談を頻繁に行い、政府、議会及び政党間の交流並ぶに戦略的な対話のメカニズムを強化し、二国間関係、それぞれの国の国内外の政策及び国際情勢についての意思疎通を強化し、その政策の透明性の向上に努める。
 
・安全保障分野におけるハイレベル相互訪問を強化し、様々な対話及び交流を促進し、相互理解と信頼関係を一層強化していく。
 ・国際社会が共に認める基本的かつ普遍的価値の一層の理解と追及のために緊密に協力するとともに、長い交流の中で互いを培い、共有してきた文化について改めて理解を深める。

2)人的、文化的交流の促進及び国民の友好感情の増進
  双方は、両国民、特に青少年の間の相互理解及び友好感情を絶えず増進することが、日中両国の世々代々にわたる友好と協力の基礎の強化に資することを確認するとともに、以下を決定した。
 ・両国のメディア、友好都市、スポーツ、民間団体の間の交流を幅広く展開し、多種多様な文化交流及び知的交流を実施していく。

 ・青少年の交流を継続的に実施する。
(3)互恵協力の強化
  双方は、世界経済に重要な影響を有する日中両国が、世界経済の持続的成長に貢献していくため、以下のような強力に特に取り組んでいくことを決定した。
 ・エネルギー、環境分野における協力が、我々の子孫と国際社会に対する責務であるとの認識に基づき、この分野で特に重点的に協力を行っていく。
  ・貿易、投資、情報通信技術、金融、食品・製品の安全、知的財産権保護、ビジネス環境、農林水産業、交通運輸・観光、水、医療等の幅広い分野での互恵協力を進め、共通利益を拡大していく。

 ・日中ハイレベル経済対話を戦略的かつ実効的に活用していく。
 ・共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする。
(4)アジア太平洋への貢献
  双方は、日中両国がアジア太平洋の重要な国として、この地域の諸問題において、緊密な意思疎通を維持し、協調と協力を強化していくことで一致するとともに、以下のような協力を重点的に展開することを決定した。
 ・北東アジア地域の平和と安定の維持のために共に力を尽くし、六者会合のプロセスを共に推進する。」また、双方は、日朝国交正常化が北東アジア地域の平和と安定にとって重要な意義を有しているとの認識を共有した。中国側は、日朝が諸懸案を解決し国交正常化を実現することを歓迎し、支持する。
 ・解放性、透明性、包含性の三つの原則に基づき東アジアの地域協力を推進し、アジアの平和、繁栄、安定、解放の実現を共に推進する。
(5)グローバルな課題への貢献
  双方は、日中両国が、21世紀の世界の平和と発展に対し、より大きな責任を担っており、重要な国際問題において協調を強化し、恒久の平和と共同の繁栄をもたらす世界の構築を共に推進していくことで一致するとともに、以下のような強力に取り組んでいくことを決定した。
 ・「気候変動に関する国際連合枠組条約」の枠組みの下で、「共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力」原則に基づき、パリ行動計画に基づき2013年以降の実効的な気候変動の国際枠組みの構築に積極的に参加する。
 ・エネルギー安全保障、環境保護、貧困や感染症等のグローバルな問題は、双方が直面する共通の挑戦であり、双方は、戦略的に有効な協力を展開し、上述の問題の解決を推進するために然るべき貢献を共に行う。

    日本国内閣総理大臣      中華人民共和国主席
     福田康夫           胡錦濤